KIKAI College program H009
喜界島について
鹿児島県奄美群島に属する喜界島は、約10万年の時を経て海底のサンゴ礁が隆起することによって形成された島です。
現在も年間平均約2mmずつ隆起を続けており、島の地形全体はサンゴ礁が石化した石灰岩で構成されています。そのことにより、この島は世界的にも稀な性質の大地となっています。
この島全体を覆う石灰岩は多孔質であるため、雨水は全てそのまま大地に浸透し、豊富な地下水脈を形成します。そのため、この島には川が存在しませんが、目に見えない地下水脈の上に集落が点在しています。また、昔ながらの集落には台風対策の石垣が構築されていますが、それらの石材は全てサンゴの化石のため、他の集落では見られないような特徴的な形状や加工が施されています。
2014年には喜界島サンゴ礁科学研究所が設立され、「100年後に残す」という理念のもと、サンゴ礁とそれに関わる生物の研究・教育・普及に取り組み続けており、日本各地や海外から数多くの研究者や学生が集結しています。また、近年では地質学的・海洋学的な視点に留まらず、歴史学、考古学、文化人類学、民俗学、建築学、といった様々な分野も「サンゴ礁文化」に連続するテーマであるととらえ、映像や演劇的手法なども用いながら活動の幅を広げています。
フィールドワークについて

今回のフィールドワークでは、「100年かけて劇場をつくるプロジェクト※」の一環として、この喜界島に集落調査等の建築学的なアプローチを試みるための調査メンバーを公募します。喜界島サンゴ礁科学研究所に集まる他分野の研究者や学生とデータを共有し合い、現地でのフィールドワークを交えながら議論し、多様な情報が集約された島や集落の図面や模型を制作する予定です。
異なる分野の知見が混ざり合うことによる新たな図面や模型表現のあり方を模索し、地質学的・海洋学的な時間・空間のスケールを取り込みながら、建築やその周辺環境についての将来的な持続可能なあり方について考える場を作ることが目的です。
※「100年かけて劇場をつくるプロジェクト」
国際的にも稀少な隆起サンゴ礁の島で、豊かなサンゴ礁生態系、島に根付くサンゴ礁文化を 100 年後に残すということを、常にその時々の人たちが考え続けられる場をつくっていく、喜界島サンゴ礁科学研究所とガラージュによる共同プロジェクト。
詳細はこちら
【フィールドワーク開催期間】
2022年8月2日(火)~16日(火)
【開催地】
喜界島(鹿児島県大島郡喜界町)
【公募スケジュール】
・公募期間:2022年5月17日(火)~6月3日(金)23:59まで
・一次(書類)審査結果通知:2022年6月6日(月)
・二次(オンライン面談)審査:2022年6月7(土)〜10日(金)
・採択結果通知:2022年6月13日(月)
【参加応募申し込みフォーム】
https://forms.gle/ZYzpxAXCekUmKVFp7
こちらのフォームから申し込みをお願いいたします。
【採択後のスケジュール】
・6〜7月:予備調査及び模型制作の準備、ゼミへの参加
・8月:ワークショップ実施
【応募条件】
・建築に興味のある学生であること。全国から参加可能です。
・フィールドワーク/WSに全日程(8/2-16)参加できること。
・ゼミ(任意の週の月曜18-20時or参加メンバーにより調整した日程)に定常的に参加できること。
・調査にあたって、島や海の環境保護や地域住民のプライバシー保護に適切に配慮できること。
・調査にあたって、チームメイトと適切にコミュニケーションがとれること。
・未成年者の場合は、事前に保護者の了承を得ること。
【採択予定人数】
・5~10名程度
【お問合せ】
info@garagearchitects.com
主催:合同会社ガラージュ、NPO法人喜界島サンゴ礁科学研究所
助成:公益財団法人ユニオン造形文化財団